
紅型の起源は古く、琉球王府首里を中心に婦人の礼装、神事を行う際の衣装を染めていた頃の約五百年前にさかのぼります。その後、沖縄独特の気候風土の中で、あらゆる東洋文化の粋を吸収し神秘的な染物となり、東洋花布として珍重されました。
その紅型も、先の大戦によって、沖縄のあらゆる文化・自然と共に灰燼に帰します。その荒廃の中から力強く紅型を復活させたのは、おやじ・城間栄喜を中心とする先達でした。復興への執念は、廃墟の中から失われた道具をひとつひとつ作り出していきました。そこには枚挙にいとまのない労苦と辛酸があったことだろうと思います。
しかし、おやじ自身は実に淡々としていて、紅型の美しさを認識し、守る心が有れば、時代の激流に勝るとの想いがあったのではないかと思います。
おやじは常々「仕事が仕事を教える」と口ぐせのように言っておりました。私はその言葉を肝に銘じ、伝統的な技法を守りつつ、紅型らしい色にこだわりながら時代の要請に応じられる作品づくりを目指しています。
紅型は、分業がなくすべての工程を一貫して工房の中で行います。
それは道具作りから始まり、ルクジュー(豆腐を乾燥させたのもので、型彫りの土台に使用)、シーグ(型紙を彫る小刀)、30種類もの色差し用の筆、等々、手作りの道具を使い各工程ごとに手仕事の美を追求しています。
紅型の決め手は型と色です。
紅型の複雑な工程を知らなくても、紅型を目にした人に感動してもらえるのは、紅型が紅型の色を持って、まさに、生まれ出てくるからです。
「沖縄の工房・清ら布」からのご要望は技術面でも高度なものも多く容易ではありませんが、紅型への情熱をかたむけていきたいと思っております。
 

伝統的に受け継がれた古典文様。
葦・雁・いずれも沖縄では見られる風物ではない。
古典的な紅型の図案では見たことのないモチーフを取り上げることが多い。 |
 

栄喜氏によって紅型に取り入れられた海を題材とする構図の一つ。
真冬と呼べる時期のない沖縄ではモチーフで季節を区切ることはない。 |
 

サバニ・・・沖縄の伝統的な小型木造船。
サバニと櫨をカジマヤー(風車)風に組み合わせ波の構図を効果的に配した栄順氏の創作柄。 |
 

栄喜氏によって紅型に取り入れられた海の構図は栄順氏によって花開いた感がある。
サバニ文様にも同じことがいえるが、氏は作品を通じて紅型を通じて、沖縄の海を語っている。
何十年も海に通い続け、何十年も紅型と格闘してきた人にしか具現化出来ない「手業」である。 |
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